四十肩・五十肩(凍結肩)
2025年9月22日

四十肩・五十肩(凍結肩)|夜間痛と可動域制限でお困りの方へ
「夜にズキンと痛んで眠れない」「髪を結ぶ・背中に手が回らない」――
それは四十肩・五十肩(凍結肩)の典型です。
放置して自然軽快を待つだけでは、長期化・再発・“動かせないクセ”が残ることもあります。
四十肩・五十肩(凍結肩)とは?
肩関節包や周囲組織の炎症・癒着により、痛み(特に夜間痛)と可動域制限が生じる状態です。
典型的には痛みの強い「炎症期」→ 固まる「凍結期」→ 徐々に回復する「解凍期」をたどります。
糖代謝異常や甲状腺機能異常、長期の不動・姿勢不良もリスク因子です。
- 就寝時・寝返り時の夜間痛
- 外旋・挙上・内旋(結帯動作)が大きく制限
- 服の脱ぎ着、洗髪、背中のファスナーで苦労
- 数か月〜1年以上続くことがある(自然経過でも長期化)
なぜ長引くのか(背景)
痛みを避けて動かさない期間が続くと、関節包がさらに硬くなり可動域が落ちる悪循環に。
さらに、胸椎の硬さ・肩甲骨の下方回旋優位・姿勢不良(猫背)が肩関節に負担を集中させ、回復を遅らせます。
「患部だけ揉む」では改善が足りず、肩甲帯〜胸郭〜体幹の連動を整える必要があります。
こうぞう整体院のアプローチ
1. 評価(期別+全身連動)
症状の期別(炎症期/凍結期/解凍期)を見極め、痛みの質・可動域制限の方向・肩甲胸郭リズム・胸椎可動性・姿勢を総合評価。
必要時は整形外科との連携(画像検査・注射・薬物療法)を提案します。
2. 施術(徒手:期別で強度を調整)
- 炎症期:過度なストレッチは避け、痛み緩和と肩甲帯・胸郭のソフトモビリゼーション、肩峰下圧の低減を優先
- 凍結期:肩関節包(特に後下方)の穏やかなモビリゼーション、肩甲骨後傾・外旋を促し挙上余裕を作る
- 解凍期:可動域拡大+筋機能再教育を積極的に。日常動作の再学習を並行
3. 運動(痛みと期別に合わせて処方)
- 振り子運動(コッドマン):炎症期から安全に関節内圧を下げる
- テーブルスライド・壁スライド:挙上方向の恐怖回避をしつつ可動域拡大
- 外旋ストレッチ/スリーパー:後方カプセルの柔軟化(過刺激は避け段階的に)
- 肩甲骨安定化:前鋸筋・下部僧帽筋活性、胸椎伸展ドリルで肩峰下スペースを確保
4. 鍼灸(痛み緩和+血流改善)
棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋、上腕二頭筋長頭腱周囲などに配慮し、夜間痛の緩和と循環改善を図ります。
自律神経調整により、痛みに対する過敏性の鎮静もサポートします。
セルフケア(安全に段階を追って)
- 就寝前の温熱:入浴で温め、寝る直前の冷えを避ける
- 振り子運動:痛みの少ない範囲で毎日こまめに実施
- テーブルスライド:机上に前腕を置き、体重移動で前方・外方へスライド
- 日中の小まめな肩甲骨運動:すくめない・胸を開く・軽く回す
- 痛みが強い日は無理に伸ばさない(過刺激は逆効果)
患部だけでなく全身を整え、再発しにくい肩を一緒に取り戻しましょう。